登場人物

壱琉(いちる)

幼い頃、捨てられて一人彷徨っているところを主人に拾われた猫又。成長した後、恩返しのために花の宴で働くことを決めた。

きりっとした顔立ちのせいか、我が強くて馴れ馴れしいと思われがちだが、実はかなりの人見知り。俺様系の見た目とは裏腹にとても穏やかな性格で、争い事が嫌いな平和主義者である。店で働くうち人見知りな面が消えるにつれ、懐いた相手にはとことん甘える癒し系な部分が前面に出てきた。

恩は十分返したと判断したのか、外の世界に興味が強まったのか、朝霧が山に帰るのと同じ頃に花の宴を出ていった。

猫又(ねこまた)

人間に飼われていた猫が死後に異形化したもので、尾が二つに分かれているのが特徴。
猫又は人間の姿に化けることが得意で、美男美女に化けて人間を誑かし、精気を吸い取ってしまうものもいるという。

花の宴で一番気が合うのは壱琉かな。初恋の人に似ているんだ。もっとも、その初恋の人はもちろん女の子なんだけど……俺、この顔に弱いのかもしれないね。

俺が磯臭いのが紛れもない事実である様に、壱琉もまた、己が本能という逃れ難い性と戦っておるのであろう……。