登場人物

詩季(しき)

鬼熊としては珍しく風流を理解し、人間のような姿をとれたため、人里近くで暮らしていた。
市で自作の楽器を演奏しているところを通りがかった主人に見出され、裏方として花の宴を手伝うことになった。

温厚な性格だが、妙なところで誇り高く、仕事は完璧にこなさないと気がすまない。
他の異形が寝静まった後も起きていることがよくあり、結果、緋色同様に昼まで寝ていることもしょっちゅうだとか。
時には縁側で茶を飲みながら、琵琶や自作の不思議な楽器を弾いたりしている。

鬼熊(おにぐま)

長い時を生きた熊が異形化したもの。
一般的な鬼熊は山に棲んでおり、人前に姿を現すことは滅多にない。だが、縄張りに侵入した人間に対しては容赦なく、その強靭な膂力でもって襲い掛かるという。

詩季が縁側で楽器弾いてるときってたいてい、他の異形がじわじわ集まってきて最後には騒ぎになるから、見てるとすごい面白いよ。

爪弾く楽の音が心地よい。此処の所俺が蔵で三味線を弾いているのを感付かれた様でな、たまに手解きを受ける事もある。妥協ない教えもまた彼の性の賜物であろうな。