物語

人の世は移ろい行く――…


昼夜問わずの火が灯り、闇を侵食する光たち。
月の光の恩恵も忘れ驕る人世の一寸先、時と共に忘れられ行く
もうひとつの現世の住人たちの息遣いが在る。


その姿は人にして、人に非ず。
時に美しく、時に強く、時に長命。

古の時代から人は彼らと共存をし、けれど交わらざる隣人たち。


化生。
精霊。
物の怪。
鬼人。


指し示す言葉は多種あれど、総じて"異形の者"と呼ぶ。


客は人間、持て成すは彼ら"異形の者"。
変らぬ時代の変らぬ店、―――…名を、"花の宴"。


店の奥にはひっそりと、古びた扉があった。
常は使われず人の手で開くことも叶わぬ不思議な扉。

―――…扉が開く時、"花の宴"には稀れ人が訪れる。


慶応の時を超え、店に客を招き入れるその扉。
次に扉が開かれた時、繋がる先は……



あなたにお会いできる日を、楽しみにしております。